令和6年度 ユースサポーターからのお知らせ

ユースサポーター活動

第1回「進路について」

 高校に入学してから途中で退学すると高校中退となり、最終学歴は中学校卒業となりあす。これはその後の進路にも影響を与え、就職する時には応募資格が高校卒業以上としているところには応募できません。他にも大学入学資格も高校卒業が必須になります。しかし高等学校卒業程度認定試験に合格すれば大学入学資格を得ることができますが、高卒認定に合格しても、その時点の最終学歴は中卒のままとなります。

 このように高校中退は進学や就職に大きな影響があります。しかし大学入学や就職は人生のゴールではありません。その後も長い道のりが控えています。自分自身の道を考え、選び取り、時には周りの助けも借りながら自分の足で歩けるように心がけましょう。

第2回「いじめを止めるために」

 いじめ防止対策推進法ができ10年が過ぎました。この法律はいじめの定義を学校内で一定の人間関係にある他の児童生徒が行う心理的、物理的な影響を与える行為で(インターネットを通じたものを含む)、対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものとされています。いじめにより生命、心身、財産に重大な被害が生じた疑いがあると認められるとき、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められる等を重大事態と定義し、学校や教育委員会は事実関係を明らかにするための調査を行い、被害を受けた家庭に必要な情報を提供し、自治体への報告や再調査、それらを踏まえての措置を講ずることを定めています。これらはいじめによる自殺事件がきっかけとなり、全国でいじめをめぐる問題が深刻化したことを受け成立しました。子ども達は何かしらのSOSを発信しています。誰もが関心をもって取り組んでいきましょう。

第3回「命はたったひとつ」

 厚生労働省によると2023年の児童・生徒の自殺者数が513人と、前年の2022年の自殺者数が514人となっており高い水準を維持していることが分かりました。その内訳は小学生13人、中学生153人、高校生347人となっており、危機的な状況が続いています。命を終わらせるという選択をせざるを得なかった心情を慮ると、社会問題、家庭問題、健康問題、様々な要因が考えられます。悩みを打ち明けたところがうまくかみあわない場合もあるでしょうが、一つ目がだめなら二つ目、そこもだめなら三つ目と今の社会は様々な相談機関があるので、ゆっくりでいいので自分にあった場所を探すことで安心を得ることが望ましいです。

第4回「子どもを守るために」

 2023年に警察から児童相談所に通告した虐待疑いのある18歳未満の子どもは12万人を超えており過去最多であることがわかりました。この要因には過去の痛ましい事件から、民間からの通報が増えているためだと思われます。

 法律により虐待は「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「ネグレクト」の4つに定義されており、これらは単独で発生する場合もありますが複数が絡んで発生することもあります。通告した児童虐待で最も多かったのは心理的虐待が約9万人、次いで身体的虐待が約2万1千人、ネグレクトが約1万人、性的虐待が約300人となりました。

 保護者の中には「これは虐待ではない。しつけだ。」といわれることがありますが、子どもが耐えがたい苦痛を感じることであれば虐待であると考えるべきです。子どもの心や体の発達に悪い影響を与えているのであれば、子ども側に経った判断がされるべきです。気になる子どもがいるなら児童相談所の虐待ダイヤル「189」へ通報しましょう

第5回「健康と未来」

 文部科学省が発表した2022年度の学校保健統計調査から徳島県内の肥満傾向の子どもの割合が全国平均を上回っていることがわかりました。この肥満傾向とは標準体重から20%以上重い子どもが該当します。

 子どもの肥満は進行すると糖尿病、高脂血症、高血圧のおそれがあり、更に進行すると動脈硬化により心筋梗塞がおこりやすくなります。また日常生活でも様々な障害や外傷を受けやすくなり、思春期や成人へ肥満が移行する確率が高くなります。

 肥満予防のためには規則正しい生活や3食をきちんと摂る等、将来のためにできることはきちんとやっていきましょう。

第6回「デジタルタトゥーのおそろしさ」

 相手から許可なく一方的にインターネットに裸の写真を流出させられるといったリベンジポルノについて、2023年に警察に寄せられた相談件数が過去最多となっています。この問題は画像や動画を簡単に記録できるスマートフォンの普及が背景にはありますが、交際相手からの要望に応えて写真を撮らせてしまい、その後のリスクを検討する余地がないことが挙げられます。「相手に嫌われたくない。」「実際に会ったことはないけど今までのやりとりから信頼できる人だと思ったから。」等を根拠に自分の裸の画像を送ることは絶対にやめましょう。一度インターネットに流出した情報はデジタルタトゥーとして二度と消えることはありません。また勝手にそういった画像を投稿することは犯罪にあたることを忘れないようにしましょう。

第7回「自分をまもる」

 内閣府が若年層(16~24歳)を対象に行った性暴力被害調査では4人に1人以上が何らかの性暴力による被害に遭っていることがわかりました。またインターネットやSNS等を用いた被害者の約半数が高校生であり、加害者の多くは身近な人間であることが明らかになっています。

 「裸の写真をスマホで送るように指示があった」「着替えているところをのぞかれた」「突然抱きつかれた」「服を脱がされた」等、本人が望まない性的なことは全て性暴力といえます。性暴力被害は子ども本人にも自覚がなく、被害を打ち明けにくい要因があります。しかしその影響が問題行動に現れることがあり、子どもの変化に早く気付くことが大切になります。子どもから話を聞くために安心できる環境づくりと、気持ちに寄り添ったサポートを心がけなくてはいけません。

第8回「学びは人生の栄養」

 日本では小学校の6年間と中学校の3年間を義務教育として、6歳から15歳の子どもを持つ保護者は子どもを学校に就学させる義務が課せられています。しかし中学校までの義務教育を修了していない人は90万人近くいることがわかっており、未終了者への必要な措置をとることがもとめられています。徳島県内でも全国初の県立夜間中学校が開校されており、県外の刑務所内で設置されている中学校でも今年度初めて女性の受刑者が入学したと報道されていました。

 学び直しの機会は誰にでも平等に与えられるべきもので、学ぶことに遅すぎるということはありません。人生をより豊かにするために自分を高める努力をしていきましょう。

第9回「盗撮ダメ!ゼッタイ!」

 盗撮は一般的に相手の了解をとらず勝手に撮影を行うことです。これは各都道府県の迷惑行為防止条例で取り締まられていますが、処罰対象にあたらない場合には軽犯罪法や対象が18歳未満の児童である場合は児童ポルノ法により罰せられます。

 スマホの普及により専門的な知識をもっていなくても、安易に撮影が行える環境が整っており、盗撮による被害は多く出ていると思われます。目的も性的欲求を満たすためであったり、撮影したものをネットで売り出したりと一昔前には考えられない状況になっています。特に外部の出入りが少ない学校内等の中で盗撮が行われた場合は加害者と被害者が混在する場所になってしまいます。

 ただ最初に述べたとおり盗撮は犯罪です。軽い気持ちで足を踏み入れて抜け出せなくなります。常習している人間の中には自分の意思でやめられると思っている人もいるかもしれませんが、中には専門機関の診療を必要としているケースもあります。

 当たり前の話ですが、「悪いことは悪い」「正しいことは正しい」ということになります。発覚すれば決して逃げ切れるものでないことを知らなければいけません。「盗撮ダメ!ゼッタイ!」です。

第10回「やめるまであきらめない」

 依存症は日常生活に支障があるにもかかわらず、やめられない状態のことを指しています。薬物、飲酒、タバコ等の物資によるものの他に、賭け事、買い物、ゲーム等の行動に由来するものがあります。依存状態が長く続くと人間関係の破綻や経済的に困窮するケースも多く鳴り、生活に支障をきたすようになります。

 これは本人の気持ちの問題ではなく、繰り返しによる脳機能の回路の変化によるものだといわれています。そのため治療には長期的な計画に基づいた依存対象を遠ざける生活を送る覚悟や周囲も環境作りに協力しなければいけません。一時だけやめられるのではなく、ずっとやめ続けなければ本当の意味での快復とはいえません。

 プロスポーツ選手の通訳による不正送金問題に絡んでギャンブル依存症が注目されていますが、本人も気付かないうちに依存状態に陥ることもあるので早期の発見と専門機関の受診が望ましいです。